空と風のうたブログ
読書記録(BL&非BL)、ゲームの感想など。
スリルなキスをもう一度
2005年02月15日 (火) 10:06 | Edit
[書籍概要]
タイトル:スリルなキスをもう一度
著者:黒崎あつし
イラスト:阿川好子
出版社:角川書店(ルビー文庫)
発売日:2001/08/01
収録タイトル:「独占欲の印」 「素直なあなた」

[あらすじ]
新人教師の安藤俊は、教え子の高梨弘樹と付き合っている。学校では絶対秘密にしなくちゃいけない関係なのに、俊は弘樹が校内でしかけてくるHな誘いを断り切れない。ある日、そんな二人の関係が養護教諭の中里にバレてしまう。その上、おどされた俊が保健室で中里に襲われてしまって!?

[感想]
「キスをもう一度」シリーズ第3作目、最終巻です。俊&弘樹のお話です。いざこざはあったものの、割と甘めな雰囲気だったように思います。
あらすじに“おどされた”とあったので、「弘樹(生徒)と付き合っていることをバラされたくなかったら……」みたいな展開なのかと思っていたら全然そんなことなかったです。むしろ、どこがおどされてるんだろう?って感じでした。確かに何回も俊にちょっかいをかけてきましたが、中里はいろんな意味でとても愉快なキャラで、どうにも憎めなかったですしね。いや、未遂とはいえ俊を襲ったのは事実ですけど。でも、弘樹に殴られるわ(これは自業自得ですが)、存在を無視されて目の前で痴話喧嘩されるわ……そりゃ堪ったものじゃないよなあとちょっと同情してみたり。
その痴話喧嘩に至った理由ですが。順調に付き合いを続けている俊と弘樹ですが、悩みは尽きなくて。俊は、もし周囲に自分たちの関係がバレても自分は何とでもなる、でも弘樹の白紙の将来を潰すことになるかもしれないと教師と生徒という立場を必要以上に意識してしまうんですね。それで素直になれなかったり、気負いすぎたりして……教師と生徒の恋愛で避けては通れないことなのかもしれないですが、俊みたいにあれこれ考えすぎるのも却って心配になってしまいました。一方、弘樹は、前回抱えていた俊が離れていくかもしれないという不安を払いきれずにいて、それを俊に知られたくないし、もう傷つけたくないとも思っていて。だから何か形になるものを……と考えるのですが、それがすれ違いの元に。一緒にいられる時間が少なくなったり、弘樹に女の影がちらついたりで……俊がまた落ち込み、自分が身を引こうとまでします。ひとりで過ごしている時も、別れる決意を秘めたまま弘樹と一緒にいる時も、俊の心情がすごく切ないのですが、弘樹がしていることの想像はつくので私としては安心して読めました。で、そんなすれ違った状態のなか、俊が中里に襲われたことがきっかけで痴話喧嘩に発展してしまったわけです。でもまあ、お互いとことんぶちまけ合ってすっきりしたんじゃないかなあと。たまには感情的になって溜まっている気持ちを吐き出してしまった方が楽になれるし、その後でいくらでも冷静に話し合えば良いんだしね、とも思いました。
今回も森本と及川は個人的に好感度高しでした。森本はあの独特の性格や雰囲気が良いんですよね。見ていてほっとするというか。周囲を拒絶していた弘樹が森本だけは突っぱねなかった理由が解るような気がします。及川は意外と良い性格でしたが、そこがまた気に入っていたり。中里とのやりとりも面白かったです。……というか、及川も知ってるみたいでした、俊と弘樹の関係。うーん……それなら前回の時も知ってたのかなあ、そこはちょっと解りませんでした(汗)
短編の「素直なあなた」では、弘樹の「俊を酔っ払わせてあれこれ聞き出そう&させよう」計画(笑)が面白かったです。酔っ払うと素直になるんです、俊って。禁酒しようとしているのに結局飲んでしまう、懲りない人です。弘樹にとっては、そういうところも可愛いんでしょうけど。ともかく、ごちそうさま、という感じでした(笑)

個人的評価:★★★★★

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ふらちなキスをもう一度
2005年02月14日 (月) 10:15 | Edit
[書籍概要]
タイトル:ふらちなキスをもう一度
著者:黒崎あつし
イラスト:阿川好子
出版社:角川書店(ルビー文庫)
発売日:2001/05/01
収録タイトル:「琥珀色のゆうわく」 「あまえんぼうの休日」

[あらすじ]
ものすごく可愛くて、学校中にファンがいるのに、自分は平凡で何も取り柄がないと思い込んでいる一海。そんなぼんやりした一海が、有名なCMディレクターの沢木に校門前でさらわれてしまう。モデルになってくれと強引に頼まれた一海は、不思議と居心地がいい沢木の家に毎日通うことになるが……ある日、沢木に無理矢理抱かれてしまって!?

[感想]
「ヒミツのキスをもう一度」に出てきた弘樹のクラスメイトが主人公のお話です。「キスをもう一度」シリーズ第2作目(という表現をしていいものか悩みますが)です。俊&弘樹も登場していて、俊&弘樹が好きな私にとっては嬉しいと同時に、寂しくもありました(だって本当にちらっとしか登場しないので) まあ、校内で何をやってるんだという突っ込みや、それを一海が見てしまったことは置いておいて(笑)
で、今回のお話。正直言ってあんまり……という印象が強かったです。一海と沢木のキャラがどうも好きになれなかったのが原因かな。一海の子供っぽいところばかりに目が行ってしまったし。沢木に関しては、沢木の一海に対する態度が変というか、「目」に何かあるのかな?と最初から疑ってかかっていたせいで、好意的に見られずに読み進めていたのも原因のひとつかもしれない。それでも、一海が沢木と過ごす時間を居心地良く、楽しく感じられるようになっていく過程はほのぼので良かったです。まあ、無防備すぎな一海の言動には、沢木を気の毒に感じもしましたが(笑)
沢木が一海を強姦したことで、そんな楽しい時間も終わってしまいます。沢木の従兄弟の真紀に言いたい放題言われ、モデルの話も嘘だと解り、深く傷つき沢木の元から逃げます。強姦されたことよりも騙されていたことの方がショックで、しかも沢木が好きだったことに気付き……そんな一海の姿は見ていて苦しかったです。後に、沢木が仕事もせず自宅にこもりきりだと知って、様子を見に行くんですけど……ひどい有様で、酒浸りの無気力状態。一海が甲斐甲斐しく世話を焼いて何とか話をし、いきなり強姦した理由などを聞きます。一海が逃げたと解った時に沢木が後悔したこと(逃げられないように足の一本もどうとかこうとか……)がかなり怖かったです。……それにしても、沢木って立ち直るの早すぎです。今の今までどん底だったのに、もうえっちするんですか!?という感じ。
でも、気に入ったエピソードもありました。「目」のこととも関係があるのですが……沢木の描く色のこと。夕焼けの色だと思っていたけど実はそうじゃなくて、でもそれが何なのか解らなくてずっと探していた色の正体。それが解ったシーンが印象に残っています。あと、真紀が意外と楽しい人だったのでちょっとびっくりしました。最初はあまり良いイメージを持てなかったのに、一海と沢木がくっついて以降、がらりと印象が変わってしまいました。従兄弟だけあって性格とか沢木と似通っている部分もありますが、私は真紀の方が好きです。
短編の「あまえんぼうの休日」は、沢木視点のお話で、「琥珀色のゆうわく」での沢木の心情なども語られていたのが嬉しかったです。だんだんと一海自身に執着していく様子が見られたのも良かったですし。なので私は、この短編の方が気に入っています。沢木の一海へのメロメロぶり(?)も良く解ります。……というか、沢木がすっかりエロ親父と化しているような気がします(笑)

個人的評価:★★☆

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ヒミツのキスをもう一度
2005年02月13日 (日) 14:24 | Edit
[書籍概要]
タイトル:ヒミツのキスをもう一度
著者:黒崎あつし
イラスト:阿川好子
出版社:角川書店(ルビー文庫)
発売日:2000/11/01
収録タイトル:「空のかたち」 「雨にふられて」

[あらすじ]
新人教師・安藤俊が酔った勢いで寝てしまったカッコイイ男は自分の教え子の高梨弘樹だった。弘樹の部屋から逃げるようにして帰ってきた俊は、バレたらクビだとドキドキしていたが、学校では女顔を隠すためにダサイ変装をしているので、弘樹には気付かれなかった。しかし、あることがきっかけでバレてしまい……。

[感想]
酔った勢いで(しかも、その時のことは覚えていない)……というのは割とよくあるパターンかと思うのですが、このお話は素直に面白いと思いました。男と寝てしまったということから始まって、その相手が自分が勤める学校の生徒で、その上、授業を受け持っている生徒でもあって……と状況を理解していくにつれて、ぐるぐるとまわる俊の思考が楽しかったです。
弘樹は学校では成績はトップクラスなんだけど、どこか冷めていて投げ遣りな態度で、まあ近寄りがたくもあるというような存在で。そんな弘樹が例の朝に見せた穏やかな笑みが頭から離れなくて戸惑う俊の様子や、生徒と教師であることに悩む姿は甘さや切なさもあって良かったです。でも、俊ってすごく感情の浮き沈みが激しいなあと感じました。悪い時はとことん悪い方向に考えるし、良い時は楽観的になるし、かと思えばすぐ落ち込むしで、見ていて飽きないです。
一番印象的だったのは傘のエピソード。私もこんな傘が欲しいと思えるほど、素敵な傘なんです。傘のかたちの小さな青空、想像するだけで心が晴れてくるようです。あと、俊と交わした約束を守って待ち続けていた弘樹がちょっと可愛いなあと思ってしまいました。ただ、その約束を俊は覚えていないわけで、だからこそ遠回りをしてしまった二人なので、俊に対して、何で覚えてないんだって弘樹と一緒に言いたい気分でした(笑)
後半の「雨にふられて」では、最初は恋人同士になった二人の甘々でラブラブな様子を見られます。でも実は、甘い時間を過ごしながらも弘樹の心の中ではある不安が渦巻いていたんですね。愛し合って結婚したはずなのに離婚してしまった両親のように、いつか俊も離れてしまうかもしれないと不安になり、そして、6歳の歳の差のことも気にしてしまう。自分は進路を決めかねている高校生で、でも俊はもう学生ではなく夢を叶えて教師になっている……そんな不安を抱える中で、再婚して新しい家庭を築いている父親の家族から手紙が届いて更に不安定になって。しかも、俊に進路のことや家族のことを持ち出されたりもして、とうとう爆発してしまったというか……本当にあまりにもタイミングが悪すぎでした。でもね、弘樹のイライラも解るし咄嗟に出てしまった言葉だと理解もできるんですけど、何気にキツイことを俊に言っているんですよ。何もそこまで言わなくても……というくらい。そりゃ、考えてものを言える状況でなかったのは確かなんですけどね……。でも、後ですごく後悔しているのが伝わって来たのは良かったです。
関係を修復できないまま日々が過ぎていく俊と弘樹が歩み寄るきっかけを(そうとは知らずに)くれたのは、及川と森本でした。さりげない言動で、結果的に俊や弘樹の気持ちをほぐしてくれた及川と森本は個人的にかなり好印象でした。そしてやっぱり、私は傘のエピソードが大好きです。最後まであの傘が重要な役割を果たしてくれたのが嬉しい。俊が弘樹に傘をさしかけるシーンが幸せな感じがしてお気に入りです。

個人的評価:★★★★★

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