空と風のうたブログ
読書記録(BL&非BL)、ゲームの感想など。
スポンサーサイト
--年--月--日 (--) --:-- | Edit
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
週末だけの恋人
2005年05月23日 (月) 17:15 | Edit
[書籍概要]
タイトル:週末だけの恋人
著者:小塚佳哉
イラスト:椎名咲月
出版社:雄飛(アイノベルズ)
発売日:2005/06/01

[あらすじ]
一夜の快楽の相手を捜すために訪れたいつものバーで、見覚えのある男・篤志に声をかけられた千彰。どこで出逢ったのか思い出せないまま、篤志が与えてくれる淫らな快楽に溺れ、週末に身体を重ねるだけの関係を続けてしまう。だが、真っ直ぐに自分の気持ちをぶつけてくる篤志に、千彰はいつしか心が揺らぎ始める。初めて抱かれた男に裏切られてから、もう誰も愛さないと決めていたはずだったのに……。

[感想]
またまた医療関係者や医療関係のことが出てくるお話でした。
主人公の千彰は、自分がゲイであること誰にも言えず、ずっとひとりで抱え込んでいました。そんな千彰に、恋を抱き合うことを教えてくれたのが遼一です。自分の性癖を打ち明け、恋をして、心も体も受け入れることができる相手と初めて出逢えた千彰は、嬉しくて幸せで。けれど、それは抱き合った一夜で終わってしまいます。連絡をとることも出来ず、ただ人づてに遼一が地元に戻ったと聞かされただけ。それ以来、千彰は誰も好きになることが出来なくなり、身体の関係だけを求めるようになります。そうすれば、傷つくことはないから……そんなある時、いつも行くバーで見覚えのある男に声をかけられます。それが篤志です。誰なのか思い出せないまま、週末ごとに篤志と身体を重ね続けます。篤志は、千彰に何度も付き合ってほしいと言うのですが、千彰はそれを拒否し続ける、という流れです。
うーん……正直言って、篤志が“誰か”ということは、すぐに解りました。極端な話、あらすじを読んだだけでも想像できるかな、という感じ。でも、篤志が誰なのかということよりも、篤志と接するうちに千彰が少しずつ変わっていく過程を追うことに意識が向いていたので、そういう意味では楽しめたお話でした。初めは、過去をひきずって誰とも本気の恋愛をすることを否定していた千彰ですが、篤志と身体を重ねるたびに、篤志の真剣な想いをぶつけられるたびに、篤志の生真面目で気配り上手な人柄に触れるたびに、篤志と会うことが楽しみになっている自分を知っていくんですね。それでもなお、それに気付かないふりをしようとする千彰がもどかしくもあり、過去の傷の深さを見せつけられるようでもあり……でもふとした瞬間に篤志に心を許してしまう、そんな千彰の心情の変化がゆっくりと自然に伝わってくる展開が、すごく良かったです。
あと、遼一が今どうしてるかということもイラストを先に見てしまったせいで解ってしまいましたが……千彰を裏切った理由が解るシーンでは、やるせない気持ちになってしまいました。でも、できるなら遼一の本当の想いを直接聞きたかったかな。それに千彰に本当のことを言って欲しかったとも思いました。そういう場面に直面したことがないからそう思えるだけなのかもしれないけど、遼一が千彰を本気で愛していたのなら尚更隠さずに話して欲しかったなあと。でも、愛していたからこそ言わなかったというのもあるだろうし……結局どうするのが一番良かったのかなんて解らないんですよね。難しいです。そのことについて千彰がどう思ったのかがもっと書かれていると良かったんですが。
篤志は、最初の方から千彰にベタボレなのが丸解りなんですよね。全身で千彰が好きだということを表現していて、千彰さん千彰さんってもう尻尾を振っている犬のような感じを受けました。千彰も何度も犬に喩えてましたしね。そういう千彰は猫に喩えられていて。警戒心が強くて人に簡単に懐かないけれど、一度慣れたらベタベタに甘えてくる……ぴったりな喩えだなあなんて思ったり(笑) でも、これまで余裕のない不安定な足場に立っていたような千彰だったから、身体的にも精神的にも仕事や私生活の面でもゆとりが生まれたようで本当に良かったと思いました。千彰は、根っこのところでは寂しがりで甘えたがりな感じなので余計にそう思います。週末だけでない、本当の恋人として二人が過ごす日々も見てみたかったです。

個人的評価:★★★★☆

週末だけの恋人 詳細情報→ 【Amazon】 【bk1】
スポンサーサイト
赤い砂塵の彼方
2005年03月14日 (月) 21:00 | Edit
[書籍概要]
タイトル:赤い砂塵の彼方
著者:小塚佳哉
イラスト:緒田涼歌
出版社:心交社(ショコラノベルス・ハイパー)
発売日:2005/03/20

[あらすじ]
考古学を学ぶ和泉潤は、留学する途中立ち寄った中東の国アルスーリアの都市遺跡で金髪の美青年アーリィと出会い、誘われるまま一夜を共にする。「再会したら本当の恋人になろう」と約束してアーリィと別れた潤は、王妃との謁見のため首都に向かうが、待っていたのは“国王夫妻、テロで死亡”のニュースだった。呆然とする潤に「亡き王妃に代わって会いたい」と皇太子から伝言が。その言葉に従い王宮を訪れた潤の前に皇太子として現れたのは、何とアーリィで……!?

[感想]
私にとって初めてきちんと読んだアラブものです。今までは雑誌でちらっと見たくらいだったので。きちんと読んだこともないのにこんなことを言うのも何ですが……アラブものってすごく苦手なんです。数少ない知識(?)ですが、アラブものって、攻めが王族で受けを無理矢理自分の国に連れてきて無理矢理どうこうして……っていうのが多くて、それが嫌だったんですよね。まあアラブものに限ったことではないのですが……要は、地位や権力でもって受けの意志を無視してどうこうするっていうのがどうしても好きになれないんですよね。だから、今までアラブものを敬遠していたのですが、このお話は、あらすじを読んでみるとちょっと違うみたいかなあと感じたので思い切って読んでみました。
で、結論から言うと、すごく良かったです。アーリィは皇太子ですが、偉そうなところとかがあまりなくてかなり好印象でした。無理矢理どうこうなんて展開もなく、むしろ、出会った時から潤はアーリィにのぼせてしまっている感じでしたし。あらすじにある一夜の食事の時、潤の好みがわからないからと注文できる料理全てを運ばせたのも、価値観の違いが云々以前に、見ていて微笑ましいばかりでした。とにかくアーリィには苦手要素がなくて、ちょっとびっくりしたり。ラストもなかなか気に入っているので、最初から最後まで楽な気分で読めました。ただ、テロに関してだけはそういうわけにはいきませんでしたが。
国王が亡くなったことで、皇太子のアーリィは王位を継がなければならないという状況なのですが、肝心のアーリィは王位を継ぐ気がないんですね。第二王位継承者の叔父が継げば良いと。そんな、単なるわがままだと取られてしまうような王位を継ぎたくないというアーリィの真意が解った時には、潤と同じく、目の覚める思いがしました。優しさや冷静さだけでなく、自分自身を見詰められる厳しさも持っているアーリィというひとりの人間が、すごいと思えました(“すごい”という表現しかできないのがもどかしい……) アーリィのアルスーリアに対する、そして両親である国王夫妻に対する想いも深く心に響くような感じがしました。同時に、これまでのアーリィの生き方や考えに哀しさも感じました。地位も何もかもを取り去ったアーリィの素顔に気付き、その素顔に恋したのだと潤が想うシーンが印象に残っています。
テロリストに捕まり、何とか逃げ出した潤とアーリィが砂漠をさまよう様子や会話も良かったです。お話の冒頭で、潤の名前の意味をアーリィが尋ねるシーンがあるのですが、その時の答えと上手く絡めてあるというか……砂漠にもぴったりかも。
潤とアーリィが出会い、そして二人で見た、あの遺跡と夕日を見てみたいなあと思いました。言葉に出来ないほどの光景だろうな……。
ところで。このお話の中で、アーリィの友人のラシード王とヨシュア(ヨシュアは名前だけ)が出てきたのですが、同出版社から発売されている小塚先生の『熱砂の王』のラシード&善也と同一人物……なんでしょうか。あらすじしか見ていないのですが、ちょっと気になったもので……。

個人的評価:★★★★★

赤い砂塵の彼方 詳細情報→ 【Amazon】 【bk1】
copyright © 2004 Powered By FC2 allrights reserved. / template: sukechan / design edit: さまない
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。