空と風のうたブログ
幻獣契約クリプトラクトメインのゲーム雑記。他、コナン等(同人誌関連の話題がありますので、苦手な方はご注意を)。以前は読書記録(BL&非BL)メインでしたが、今はこちらの記事は書いていませんし、今後も書く予定はありませんのでご了承ください。
境界 ボーダー
2007年05月01日 (火) 17:58 | Edit
「境界 ボーダー」 ★★★☆
著:愁堂れな/イラスト:奈良千春/プランタン出版(f-LAPIS文庫)

境界 ボーダー

[あらすじ] 《裏表紙より》
捜査一課の美形ペア、単独行動が多く問題児の松本と優秀な渡辺。二人は十年来の親友だ。ある殺人事件の捜査中、松本は容疑者と二人で酒を飲んだあげくホテルで目覚めた。その行動が捜査本部で問題になる中、松本はいつもは守るようにフォローしてくれる渡辺に宿直室できつく責め寄られ、「お前が他の男に抱かれるのは許せない」とベッドに押さえつけられてしまう。豹変した親友の目には、初めて見る光――情欲の焔がともっていた…。

[感想]
以前は好きだったけれど、最近は文体が苦手になってきて敬遠していた愁堂れなさんの作品を久々に購入&読んでみました。
……やっぱり、この文体はどうにも合いません。地の文(の一部)と、Hシーンの受の台詞が駄目なんですよ……。あと、強姦されてる時に何度も出てくる「よせっ」「おいっ」に何故か拒否反応が……。気にならなかった時もあったんですけどね、最近は駄目です。
で、話の内容ですが。話としては面白かったかなと。2時間サスペンス好きなんで(笑) でも、松本と渡辺の恋愛としてはちょっと物足りなかったです。榊らの方が印象に残ってますから。
高校の時から十年来の想いを松本に抱いていた渡辺、側に居たいがために進路まで同じにしていた模様。それを、松本には気付かせずに過ごしていましたが、事件の関係者である榊に松本が惹かれている様子を見て穏やかではいられず、榊と酒を一緒に飲んでホテルで目覚めたと知って、爆発してしまいます。ともすれば一生黙ったままでいただろう想いを、強姦という形で松本にぶつけてしまいました。その後は、松本が捜査から外されたこともあって、渡辺とはまともに会えず、またいつもはしてくれるフォローもなく……。松本は、渡辺を失うかもしれないと不安を抱き、された行為に嫌悪感を抱いていないことに気付き……という心情に。それでも、松本の些細な異変にも気付く渡辺は、松本のピンチにはきっちりと助けにきてくれるんですけど。この渡辺がね、もう少し押してくれたら良かったのになーなんて思ってしまいました。想いが叶うことはないと一歩退いてるというか。とはいえ、そういう渡辺って結構好きだったりするんですが。「時間をくれ」と言った松本に対して「……いくらでも待つよ。今まで十年待ったんだ。あと十年は、軽く待てるだろう」と言うシーンとかも好きですし。そして松本の方は……嫌いではないけど苦手です。読んでいてちょっとイラっとくることもあったし。あの松本に十年も(そしてこれからも)付き合っていける渡辺ってすごい……。これからも苦労しそうですが、渡辺はそれで幸せそうなので良いのかな……良いんだろうな……。
淫らな躰に酔わされて
2005年05月31日 (火) 10:41 | Edit
[書籍概要]
タイトル:淫らな躰に酔わされて
著者:愁堂れな
イラスト:陸裕千景子
出版社:ムービック(ゲンキノベルズ)
発売日:2004/10/31
収録タイトル:「淫らな躰に酔わされて」 「オカマの純愛」 「淫らな躰に酔わされて~コミックバージョン~」 「『オカマの純愛』後日談」

[あらすじ]
新宿西署の刑事・高円寺は、キャリアの上司・遠宮と馬が合わず、何かと衝突していた。綺麗だが年下で生意気な遠宮に嫌味を言われ続け鬱憤もピークに達した時、思わず「犯してやりたい」と毒づいたのを聞かれてしまう。その夜、宿直室に現れた遠宮はいきなり高円寺の腹に跨って……!? 遠宮の快楽を貪る淫靡な躰に酔わされていく高円寺だったが……。そんな時高円寺は、追っていた殺人事件と意外な人物との接点を見出し……。

[感想]
中津と龍門がちゃっかり同棲開始……というところで始まっている、淫らシリーズ第3弾。ますます次の中津&龍門編を早く読みたくなってきました(2006年は先すぎる……)
今回は、30年来の付き合いの幼なじみ三バカトリオ(上条・中津・高円寺)の最後のひとり、高円寺が主人公です。メインの事件が殺人事件ですし、刑事である高円寺が捜査をする様子なども多々あるので、今までで一番サスペンス色が強い感じのお話でしたね。龍門も独自に事件を調べて高円寺に情報提供したりして、二時間サスペンスもの好きな私としては、この先の展開にドキドキしながらお話を追えました。
破天荒で、ちょっと……いや、かなり下品な高円寺ですが、人の心の機微なんかには結構敏感で、大らかな態度なども相俟ってイイ男だなあと思ったり(前回のお気に入りだった中津を抱きしめるシーンからも高円寺のそういう面が窺えます) 反面、自分のことになるとかなり鈍感なんですけどね。
一方の遠宮は、実際の感情とは裏返しの態度を取る、もう見事なほどの意地っ張りぶりです。高円寺のする事なす事全てに嫌味な言動をしかけてくる遠宮ですが、見えない所では高円寺を想っていたわけです。途中、その想いが見え隠れしているシーンも。ところが肝心の高円寺は、上条たちに指摘されるまで全然気付かなくて、そういうところに鈍感さが表れているなあと感じました。でも、遠宮にペースを乱されっぱなしの高円寺が楽しかったです。
そんな今回のお話のお気に入りは、やっぱりラストの告白シーンですかね。仕事でもベッドでも命令しまくり翻弄しまくりな女王様ぶりを見せる遠宮の、あの告白シーンはすごくすごく(←強調)貴重だと思う。遠宮本人も二度と言わないと言っているくらいだし。
襲い受けは私の好みからはちょっと外れているのですが、なかなか楽しませて頂きました。

個人的評価:★★★★

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淫らなキスに乱されて
2005年05月30日 (月) 11:41 | Edit
[書籍概要]
タイトル:淫らなキスに乱されて
著者:愁堂れな
イラスト:陸裕千景子
出版社:ムービック(ゲンキノベルズ)
発売日:2004/06/30
収録タイトル:「淫らなキスに乱されて」 「花嫁の父」 「淫らなキスに乱されて~コミックバージョン~」

[あらすじ]
美貌のヤメ検弁護士・中津は、腐れ縁の友人検事・上条を密かに思っていたが、告白することなく失恋してしまう。その頃新しく企業の顧問弁護士になるが、その会社を嗅ぎまわる謎のルポライター・藤原龍門と出会う。それ以来、自堕落な風情の藤原につけ狙われる中津だったが、ある日口論の末、無理矢理抱かれてしまい……。

[感想]
淫らシリーズ第2弾です。今回は、「淫らな罠に堕とされて」に出てきた上条の幼なじみのひとり・中津が主人公のお話です。
あらすじを読んでまず驚いたのは、中津って上条のことが好きだったの?でした。全然気付いていませんでした……だって前回のお話では、中津が上条と神津の仲を気にしているような素振りを感じなかったんですよ(私が鈍感なのか?) なので、このお話を読んでみてまたびっくり。気にしていないどころか、かなり気にしているし、思い切り引きずってました。随所で高校時代からの上条への想いの描写があって、それはそれで中津の心中の切なさや葛藤を見られて良かったんですが、そのために龍門との恋愛部分が少なく感じてしまったのが残念でした。上条への想いに苦しむ中津を、高円寺が抱きしめるシーンはすごく好きなんですけどね。友情だからこその、良いシーンでした~(でも、ひっそりこっそり高円寺×中津も良いかもとか思ったのは秘密です/笑)
龍門はといえば、無精髭だわやさぐれた風情だわ。最初は前回の上条と同じく胡散臭いキャラで。このシリーズの攻めって何でこう胡散臭いのか……なんて思ってしまいました(高円寺は別として) で、その龍門、中津を脅して情報を得ようとするのですが、口論の末に中津を無理矢理抱いてしまいます。それで終わった後で、こんなつもりじゃなかったって謝るんですよ。そして脅迫のネタの写真も処分してしまうんですね。だったら最初からやめとけば良かったのに……と突っ込んでみたり。だというのに、翌日、懲りずにまたやってしまいます……そしてまた、こんなつもりじゃなかったって謝るんです……もう何と言っていいものやら(苦笑) まあ、二回とも口論の末っていうのが共通していて、中津に痛い所をつかれて我を忘れてしまったんでしょうね。だからといって無理矢理は良くないですが。
龍門が中津が顧問をしている会社を探る理由や、その会社が関わっていた3年前の事件のことなど、サスペンス的な部分では楽しめました。ただ、中津が本格的に事件を調べ始めてからの展開がちょっと早いかなという気はしました。龍門が3年も追っていた事件なのに案外早く片がついたなあという感。まあ、相手が大きいし証拠もつかめない状態だったので、龍門個人で動ける範囲には限界があったでしょうけど。……何だかんだ言いましたが、中津と相手との駆け引きめいた会話とか、相手がどう出てくるかなど、緊張感があって良かったです。
中津と龍門の恋愛は、まだまだ始まったばかり、という感じで終わっています。事件解決してからこっち、えっちどころかキスもろくに出来ていない二人ですしね。シリーズ第3弾のあとがきで、次は中津&龍門編をと書かれていたので今から楽しみです。龍門の頑張りに期待!(笑)
それから、ショートコミックには、今回も笑わせて頂きました。

個人的評価:★★★★

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淫らな罠に堕とされて
2005年05月29日 (日) 17:47 | Edit
[書籍概要]
タイトル:淫らな罠に堕とされて
著者:愁堂れな
イラスト:陸裕千景子
出版社:ムービック(ゲンキノベルズ)
発売日:2004/02/28
収録タイトル:「淫らな罠に堕とされて」 「ささやかなお願い」 「淫らな罠に堕とされて~コミックバージョン~」

[あらすじ]
鈴本製薬総務課長の神津は恋人に裏切られ泥酔し、気付くと見知らぬ男とベッドで寝ていた。そのヤクザめいた謎の男・上条は、胡散臭く何故か自分をつけ回す。その後も何度か強引に犯され、そのたびに絶頂の高みへと連れて行かれてしまう。強烈な快楽に身を震わせながら、次第に心を占めてくる上条の存在に戸惑いを隠せなくなり……。強引だけど、たまに優しい素振りを見せる上条の真の目的は……!?

[感想]
淫らシリーズ第1弾です(何か言い難いシリーズ名だなあ……/笑)
5年間付き合った恋人・達也の誕生日に、驚かせようと突然マンションに押し掛けた神津。そこで見たのは達也と他の男の濡れ場だった。ショックを受け、泥酔して気付いたら見知らぬ男とベッドで寝ていた……というシーンから始まるお話でした。
この見知らぬ男(上条)というのが、すごく胡散臭いんです。服装などもそうですが、何より神津に対する態度が胡散臭い。何度も神津の前に姿を現し、その真意の見えない様子が色々と想像を掻き立てるし、神津の会社のことを良く聞いてきたりするので、何かあるなとは思うのですが……如何せん、神津が「何度か犯され」どころか会う度に犯されているので、目的が曖昧に見えてしまうんですよね。神津がまた流されすぎというか……毎回毎回あっさり押し倒されてしまうので、もう少し抵抗して欲しいと思ったり。会社でいじめに等しいほどの扱いを受けていたり、課長として日々激務に追われる神津が、更に疲労困憊になっていく原因は間違いなく上条ですからね(連日会いに来てるしねえ……/笑)
神津のなかでだんだん上条の存在が大きくなってきた辺りから、上条が会社のことを尋ねる度、何のために自分に近付いてくるのかと真剣に悩むようになります。本気なのか解らないような上条の「惚れた」という言葉を信じて良いものなのか、ただ会社のことを聞くために接触してくるのか……そんな神津の心の揺れが切なさを感じられて良かったです。
お話が進んでいくと、会社がらみで神津がとある罪をひとりで被らされそうになっていることが発覚するのですが、その前後からはまさに怒濤の展開、という感じ。達也のことに関しては、自分で決着をつけようとしたところは神津の強さが窺えましたし、吹っ切るためには必要だったんだろうなとも思えます。まあ、かなり無謀な行動ではあったのですが、流されるばかりじゃない部分を見られたのが嬉しかったなあと。
事件が解決した後、上条の真意と目的が解るのですが、上条って一途だったんですね~。今までは優しい素振りや気遣いを見せても、すぐえっちに走ってしまっていたせいで気が逸れがちになっていたので、神津に対して本当に真剣に想っていたのが解って良かったです。
色々ありましたが、一度まとまってしまえば、後はもうラブラブのバカップル状態でした。そして、上条が意外に可愛い人だったことが良く解りました(笑) ショートコミックの上条もすごく面白かったです。 上条の幼なじみの中津&高円寺も個性的で楽しいキャラでした。

個人的評価:★★★★

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※CDも発売されています。

▽CAST
神津雅俊:福山潤 / 上条秀臣:鳥海浩輔 / 中津忠利:置鮎龍太郎 / 高円寺久茂:小西克幸 / 鈴本達也:増谷康紀 / 他

Dramatic CD Collection 淫らな罠に堕とされて 詳細情報→ 【Amazon】 【bk1】
ヤシの木陰で抱きしめて
2005年01月26日 (水) 10:37 | Edit
[書籍概要]
タイトル:ヤシの木陰で抱きしめて
著者:愁堂れな
イラスト:片岡ケイコ
出版社:徳間書店(キャラ文庫)
発売日:2004/08/31

[あらすじ]
花嫁に逃げられてしまったことで、エリートビジネスマン・佐伯祐一の休暇は一変、新婚旅行先のハワイで独り呆然とすることに……。そんな祐一の前に現れたのは、旅行会社の社長兼ツアコンの健人。一見穏やかな健人に、祐一は言葉巧みにツアーへと連れ出される。ところが優しいと思っていた健人から、星空の下、突然キスされて……!?

[感想]
最初、主人公である祐一があまり好きになれなかったんですよね。結婚式をドタキャンされて呆然としつつ、予約していた教会やらのキャンセルに追われる祐一は確かに大変だったけど……結婚するに至った経緯が解ってくると、結婚相手の方に同情してしまいました。本当は2人で一緒にハワイに行くはずだったのに仕事が終わらなくて先にひとりで行かせたり、それまでにも仕事にかまけて彼女を放ったらかしにしたり……アメリカ本社への栄転が結婚を決意するきっかけになったっていうのも、仕事のために結婚するみたいで何だかなあと思ってしまった。
でも、嫌々ながらも連れ出された天体観測ツアーで星を見ることによって、彼女を傷つけていたことにやっと気付いた、というのは良かったです。改めて自分の過去や想いを振り返って考えるようになった祐一は、結構好きになりました。後になったけど、彼女ともきちんと話をしましたし。
そして肝心の恋愛に関しては……とにかく健人の台詞がいちいち恥ずかしいです。特に、祐一に告白するシーンとか。……と思っていたら、読み進めるうちに段々祐一も……結局、2人して恥ずかしい……。ラブラブといえばそうなんですが、それにしてもラスト辺りの恥ずかしさといったらもう! 読んでいる私の方が照れます(笑)
ハワイでの出来事(健人との恋愛)が、祐一にとって1番だった仕事が霞んでしまうくらい大切なものであること、2人が幸せ一杯だということは十分すぎるほど伝わってきたお話でした。

個人的評価:★★★

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