空と風のうたブログ
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せつなく優しく恋をして
2005年09月08日 (木) 00:15 | Edit
[書籍概要]
タイトル:せつなく優しく恋をして
著者:夢香雅
イラスト:すがはら竜
出版社:リーフ出版(リーフノベルズ)
発売日:2005/09/15
収録タイトル:「せつなく優しく恋をして」 「君の震える指をせつなく想う」

[あらすじ]
癒えない心の傷を抱える美貌の青年・至は言葉巧みに騙され、知らない間に『売られて』しまう! しかも至を買ったという男・東吾から「愛人になれ」と迫られ、彼とともに暮らすことに。不信感も露わな至に対し、東吾は何故か何もしようとはしない。彼の優しさを知るにつれ、次第に心を許し始める至だが……。ある日、至は東吾がトラウマの原因となった事件に関係している事を知り――!?

[感想]
高校時代に告白されて断った先輩からレイプされたことがトラウマとなって、5年経った今も苦しんでいる至。自分を意志のある人間だと思っていないような扱いが、何より至を傷つけていた。自分を性的な目で見る男が怖く、そんな気がない相手に対しても恐怖を拭いきれず、まともに社会生活を送ることもままならない状態。そんなある時、人の良さそうな男の同情を誘うような言葉に騙され、呼び出されたホテルへと行ってしまう。そこにいたのは、古川東吾という男だった。至がそういう仕事をしている人間で、自分が至を買ったのだと。そこでようやく至は騙されたことに気付くのですが、当然逃げられるはずもなく、東吾に組み敷かれてしまう。レイプされたことがフラッシュバックし、激しく抵抗する至を見て、東吾は行為を止めてくれます。そして「愛人になれ」と言ってくる。といっても目的は身体じゃなく、借りを返したいだけだと、至が自分を取り戻せるように今度は俺がお前を変えてやるなどと、まるで初対面ではないというような東吾の言動に至は困惑します。それでも押し切られて一緒に暮らすことになるのだが……というストーリーです。
2人の同居生活は本当に穏やかです。東吾は言葉通り至に手を出そうとはしないし、初めは警戒を隠せなかった至も少しずつ東吾との生活に慣れていきます。至の過去を知っているような素振りも見せるし、不審なこともある。けれども、それを払拭できるくらい東吾の至に対する態度は優しいです。至を傷つけるものから守り、真綿でくるむような慈しむような優しさで包んで、至が大事だというのが伝わってきます。それが「至を愛しているから」だと知った至は、過去にとらわれた自分を変えたい、乗り越えたいと切実に思う。他でもない東吾に、そうして欲しいと願うんですね。勿論、すぐには上手くいかないんだけど、自分を人間扱いしなかった先輩と、自分を愛している東吾とでは、全く違う。そのことが至を動かします。
東吾と接するうち、段々前向きになっていって、東吾と並んで立ちたいと頑張ろうとする至ですが、トラウマの原因である先輩と再会してしまう。それでも、自分のためにも東吾のためにも頑張ろうとする至が健気です。けれど、先輩からの執拗な接触や、東吾が至のトラウマに関わりがあるということが解り、至はボロボロになっていきます。まあ、東吾に対する疑惑だけは絶対に誤解だろうなと思っていたので(東吾の言動を見ていたら一目瞭然なので)、そこは安心して読めたんですけどね。
至が騙されやすいのは、基本的に優しくて素直で思い遣りがあるからなんでしょうね。まあ、それで窮地に陥る羽目になるんですけど……その度、東吾が助けてくれて、そしてこれからも助けてくれるでしょう。東吾にとっては苦労が耐えないでしょうけど(苦笑)
短編「君の震える指をせつなく想う」は、至と東吾の初めての出会いを東吾視点で回想するお話なのですが、これがすごく良かった。このタイトル、好きなんですよね。何だか、じーんときます。至の心情も、東吾の至への想いも、このタイトルが表している気がします。全ての始まりと、トラウマを2人で乗り越えた至と東吾の未来、その両方が詰まっているのがこの短編なんだと思います。至の「指」が言葉よりも何よりも雄弁に、至の強さも弱さも東吾に感じさせてくれた。だからこそ、東吾の至を見詰める優しさと慈しみに溢れる目が印象的でした。

個人的評価:★★★★★

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