空と風のうたブログ
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人買奇談
2005年01月26日 (水) 23:18 | Edit
[書籍概要]
タイトル:人買奇談
著者:椹野道流
イラスト:あかま日砂紀
出版社:講談社(ホワイトハート)
発売日:1997/07/05

[あらすじ]
「夢を……買うと申すか」 深淵のような瞳の底で、妖しい微笑が揺らめいた。世にも美しい娘の姿は、黄金の光に包まれて、天女のそれに紛うかと思われた。だが、次の瞬間に天本と敏生の目の前で繰り広げられた光景は、信じがたいまでに恐ろしく哀しいものだった……。精霊の血を継ぐ少年と、美貌の追儺師が術を駆使して、百鬼妖魔を討ち破る!

[感想]
奇談シリーズ第1作目です。
植物の精霊と人間との間に生まれた敏生。作家という表の仕事と霊障解決という裏の仕事を生業とする天本。その二人が出会い、共に霊障解決に当たるパートナーとなり、初仕事を請け負う……という今回のお話。と言っても、敏生にとっては霊障解決という仕事自体初めてのことなので、天本の助手、という位置づけですが。仕事の内容は、老人専門の保養施設で相次ぐ変死事件の解決。事件の裏で起こっていた真実は、敏生にとっても、事件を起こしていた妖魔にとっても、そして読んでいる私にとっても哀しいものでした……。
敏生が天本の家の塀で行き倒れていたことから、二人は出会い、一緒に暮らすことになるんですが、敏生が自分の生い立ちを語るシーンは、少し辛かったです。天本に語ることで、敏生の背負っているものが少しでも軽くなったような感じを受けたので、そこはほっとしました。
読んでいて、天本って意外に照れ屋かもしれないなあと思いました。冷静で冷たさも窺える時もあるけど、それだけではなく、深い温もりや優しさもあって。そんな天本が好きです。実は医者が泣くほど大嫌いなところも……。あと、眼鏡をかけている時のイラストも好きです。
敏生は、素直で思ったことが顔に出やすいタイプかな? 天本にはすごく甘えたがりな感じです。でも、母親が去ってから得られなかった温もりをくれた天本に対して、助けになりたいと願う姿には、敏生の芯の強さがあらわれているんだろうなあと思いました。いざという時には自分で立ち上がる強さも持っているし。……ところで、敏生って何だか餌付けされているような(笑)
敏生と天本は、お互い惹かれ合いつつある……という感じ。まだはっきりと自覚はしてないだろうけど、それでも二人の間にはそこはかとなく甘い雰囲気があるような気がします。話している時も、緊迫した状況でも。天本が敏生を気に掛けているのが解るのが良いんですよね。
今回は、小一郎の出番が少なくてちょっと寂しかったんですが、そこは次巻以降に期待かな。ああでも、龍村さんは次巻は登場しないそうで……豪快な龍村さん気に入ってるので、こちらも寂しいです。龍村さんがいると場の雰囲気が(良い意味で)変わるような気がするので。

個人的評価:★★★★

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