空と風のうたブログ
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ムーンリット・ハンティング
2005年08月30日 (火) 16:47 | Edit
[書籍概要]
タイトル:ムーンリット・ハンティング
著者:水壬楓子
イラスト:白砂順
出版社:幻冬舎コミックス(リンクスロマンス)
発売日:2004/09/30
収録タイトル:「ムーンリット・ハンティング」 「ムーンリット・ハイキング」 「ムーンリット・ペイシェンス」

[あらすじ]
伝説の獣の血を引き、夜になると銀狼へ姿を変える彩都の国王・衣織。その血と傍若無人な性格ゆえ疎まれ、失脚を望む者に命を狙われる彼は、安息を求めて度々城を抜け出していた。ある夜、森で不覚にも罠にかかってしまった衣織は、鷹匠の少年・月鹿に救われる。優しく伸ばされた手に牙をむいた衣織だが、彼から薫るどこか甘く懐かしい匂いに、毛羽立つ感情が不思議と和らいだ。後に、人の姿で月鹿と再会した衣織は、正体を隠したまま、彼と旅を共にすることになるが――。

[感想]
オススメ頂いたファンタジーの中のひとつ「ムーンリットシリーズ」の1作目「ムーンリット・ハンティング」(新装版)です(オススメありがとうございました!) 2段組で読み応えがありましたし、ストーリーも良かったです。世界観なんかも解りやすくてとっつきやすかったです。
東の地に繁栄している東方七都のうちのひとつ、彩都が今回の舞台です。彩都には狼にまつわる伝説があり、王家の起源とされている。現国王である衣織はその伝説の先祖の血を引いており、月の満ちる夜には狼へと姿を変える。そのことで周囲に畏れられ、そのことを常に肌で感じる日々。国王でありながらも衣織の立場は微妙です。それは、早くに亡くなった母親は身分が低く、前父王には正妃との間に息子・怜夜(衣織の異母弟にあたる)がいること。前父王が亡くなる直前、国王に衣織を指名したことで、それを良く思わない者たち(主に怜夜を王位にと望む者たち)には命を狙われ、安らぎなどとはほど遠い生活を送っています。それに加え、自分の中に流れる獣の血がいつ人間としての自分を凌駕するか――いつか人間としての自分をなくしてしまうかもしれないという複雑な思いを抱えている。衣織が、傍若無人で人に関心を持たず、人の温もりを知らず、人を信じられなくなるのも無理はないかもしれません。
そんな衣織に変化をもたらしたのが、鷹匠の少年・月鹿です。狼の姿の時に罠にかかり傷ついた衣織を助けた月鹿は、動物の扱いに長け、そして月鹿自身、動物を心から愛しています(月鹿の一族は、「獣使い」としてかつて王家と関わりのあった一族だということが後に解るんですけどね) 最初は牙をむいた衣織ですが、少しずつ月鹿に懐いていきます。人の姿で再会した後も、叱られたりしてむっとしつつも不思議と月鹿の言葉には従ってしまう。その様子はまさに「人に慣れない動物を手懐けていく」という言葉がぴったりだと思います(笑) 実際、月鹿以外の人間に心を動かされるような衣織じゃありませんし。ずっと衣織の傍にいた雪那(武官)や須麻(宰相)に対しても狼の姿を見せることは避けていましたが、月鹿の前だとむしろ狼の姿の方が安らいでいる感じがしましたね。
しかし月鹿にはある目的があった。それは、数年前に王の息子(衣織のこと)によって王宮に連れて行かれた姉・月莉を返して貰うということ。月鹿は、彩都で開かれる鷹狩りに出場するために旅をしていたんですね。鷹狩りで認められると王室付の鷹匠として王宮に上がることができるからです。その事情を聞いた衣織は、自分が彩王であることを知られたくないと強く願うようになります。月莉を王宮に連れて行った理由が理由ですしね…そんな勝手なって感じですが、でも衣織が抱えてきた孤独を知っているからどうも憎めなくなってしまう…。
後半は、月鹿が衣織が人狼であることを知ったり、衣織の命を狙う者の中に月莉の姿があったり、そしてとうとう彩王が衣織だということが月鹿の知ることとなったり、衣織が敵の手に落ちたり…と、大きくストーリーが動きます。月鹿の心も揺れます。姉を取るか、衣織を取るか。一度は姉を取るも、すぐに後悔する姿は、月鹿が素直でまっすぐな分、見ていて辛く切なく感じられました。衣織の命は、あわや…というぎりぎりのところまでいくのですが、そんな緊張感を覚えたり、その後の意外な助けに驚きつつも安堵したりと、最後まで目が離せなかったです。この一件で、色々と波紋は広がるだろうけれど、ひとまず衣織に関しては一安心というところでしょうか。心から望む者(=月鹿)と出会い、共にこれからを生きる事ができるのですから。人と狼との間での複雑な思いも、どちらの姿も衣織だと変わらず傍にいてくれる月鹿の存在がある限り、大丈夫じゃないかなと思えます。
ただ気になったのは後宮のこと。いくら衣織が後宮を見向きもしない…というか、存在自体どうでも良さそうでも、月鹿以外に関心がなくても、何だか気になってしまいます。月鹿もちょっとは気にしてそうな感じだったのに、衣織と恋人同士になってからは全然触れられてもいないし…月莉のことも解決(?)したからもう良いのかなあ? 引っかかるのは私だけなのかも…。
「ムーンリット・ハイキング」は、まともに執政をしない衣織に手をやいていた須麻が、衣織を上手く手懐け操れる月鹿という強い味方(月鹿自身は自覚なしですが)を得て、衣織を思い通りに動かして上機嫌な様子がすごく楽しいです。にっこり笑ってる顔の裏で、いくつもの策略が浮かんでいるんでしょうね。それを解っていながらも、月鹿の手前大人しく従うしかない衣織が面白いです。本編の最初の頃の衣織と見比べてみるとますますそう思えます。雪那だけでなく動物にも(いや動物だからこそ?)嫉妬しているのも(笑)
「ムーンリット・ペイシェンス」と巻末の悩み相談室も面白かったです。本当に衣織は月鹿にべったりですよね~王としての責務がなかったらそれこそ1日中ひっついてそうです。月鹿にだけは手懐けられても嬉しいんでしょうね…まあ、完全に手懐けられたわけでもないですけど。でも月鹿に嫌われるのが何よりも怖い衣織ですので、最後の一線だけは守って…くれるでしょう多分。

個人的評価:★★★★☆

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おはようございます!前回は文庫のご紹介だったので、今回はノベルズを紹介していきたいと思います。こちらもみなさんご存知のお名前だと思いますが水壬楓子さんの「ムーンリット・ハンティング」です。この本との出会いはBL本にちょうどハマった時期(笑)で本を読み漁って
2005/09/02(金) 13:26:18 | 美鳥の日記
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