空と風のうたブログ
読書記録(BL&非BL)、ゲームの感想など。
君に溺れる
2005年05月09日 (月) 23:36 | Edit
[書籍概要]
タイトル:君に溺れる
著者:六本木曜
イラスト:小山田あみ
出版社:オークラ出版(アクアノベルズ)
発売日:2005/03/23

[あらすじ]
内科医の涼島は、MR(医薬情報提供者)の佐久間に初対面から口説かれ、困惑する。明朗な佐久間に好感は抱くものの、過去の恋の思い出に捕らわれ、素直に応じられない涼島。そんな涼島を、佐久間は海に連れ出す。初めてのサーフィン。心も体も解放されていく涼島。少しずつ恋人らしい関係を深めていこうとしたふたりだが……。

[感想]
過去に恋人を病気で亡くした涼島は、もう誰も好きにならないと思っていた。そんな涼島の前に現れた佐久間は、初対面から熱心に涼島を口説いています。強引だけれど、決して不快ではない佐久間の言動が良いです。その佐久間は、涼島にとって恋人を思い出させる存在でもあります。それは、雰囲気がどこかかつての恋人に似ているから。だから佐久間に好意を抱いていたとしても、佐久間を通して恋人を見ているのだと思ってしまう。それを隠さずに告げることで佐久間の真剣な想いに誠意で返そうとする涼島だとか、それを聞いて今も恋人を想っている涼島ごと好きだと告げる佐久間だとか……何だかもうたまらない気持ちになってしまいました。でも、涼島のなかで少しずつ佐久間の存在が大きくなっていく様子や、恋人の死と本当の意味で向かい合う様子、涼島と佐久間が二人で時間を積み重ねていく様子などが緩やかに優しく描かれていました。
そうやってゆっくり進んできたわけなのですが……後半以降の展開がね……。佐久間が命に関わる大病に罹るんです。私はこの展開を知った上で読んでいたのですが、それでもかなり衝撃を受けました。これまでの印象とは打って変わった展開で、このことが涼島と佐久間の関係に変化をもたらすことにもなるのだけれど、正直言って読むのが辛かったです。涼島の痛みも、佐久間の苦しみも、想像も出来ないほど辛くて切なかったです。
……実は、涼島のかつての恋人と佐久間には、とある過去があるのですが、佐久間がそのことを涼島に語るシーンがすごく好きです。
ラストは、あとがきにも書かれていたように、明確な運命の決定はされていません。確かに二人がどうなるのかは気になるけれど、私は、こういうラストで良かったんじゃないかと感じました。むしろ、こうなる、と決められている方が辛い。それが良い結果でもそうでなくても……。
病と闘うなかで、二人が支え合って、共に生きていく姿を見て胸が熱くなりました。二人が楽しく静かに過ごす日々も、時に死の恐怖に魘される佐久間も、それを抱きしめる涼島も、全部ひっくるめて愛しく思えました。読後には、じわじわと涙が込み上げてきそうになりましたけど……。
生と向き合い、死と向き合い……命あるものは、常に何かと向き合いながら生きていて、だからこそ命は尊くて儚い。命の大切さを、命の意味を、深く考えさせられるお話だったと思います。

個人的評価:★★★★

君に溺れる 詳細情報→ 【Amazon】 【bk1】
コメント
このエントリーへのコメント
コメントを投稿する
URL :
コメント :
パスワード :
秘密 : 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
このエントリーへのトラックバックURL
この記事へのトラックバック
copyright © 2004 Powered By FC2 allrights reserved. / template: sukechan / design edit: さまない