空と風のうたブログ
読書記録(BL&非BL)、ゲームの感想など。
お手をどうぞ
2005年05月10日 (火) 22:21 | Edit
[書籍概要]
タイトル:お手をどうぞ
著者:火崎勇
イラスト:松本テマリ
出版社:徳間書店(キャラ文庫)
発売日:2002/05/31

[あらすじ]
つきあいでソシアルダンス教室を訪れた大学生の青葉。でも一瞬でプロのスピーディで優雅なダンスの虜に! そんな青葉の心を揺らすのが、夜の部でプロ選手を指導する実力派の教師・九鬼。長身で人目を惹く男前だけど超無愛想。過去を語らない九鬼の本気のダンスを見たいと思う青葉だが、九鬼は何故か本気のダンスを見せてくれなくて……。

[感想]
すごく面白かったです。ダンスの知識は全くないので、ダンスの用語だとか解らないところも多々あったのですが、主人公の青葉自身ダンス初心者で何も知らないところから始まったのと、ダンスの描写が楽しかったというのもあって、そんなに気にならなかったです。逆に、お話にぐいぐいと引き込まれてしまいました。
青葉がね、良いんですよ~。外見は高校生に間違われたりするけれど、中身は大人よりも大人という感じで、かつ適度に年相応に子供な部分もある、そんな大学生です。前向きで、やると決めたらやる思い切りの良い性格が、はっきりしていて好きだなあと思えます。そして何より男前なのです。見ていてこんなに気持ち良い受けは珍しいかも。
母親のつきあいで訪れたダンス教室で、青葉は九鬼と出会います。無愛想であまり表情の変化がない九鬼に、青葉は却って好感を持ちます。会話を交わしたりダンスを通じたりして、青葉が九鬼のダンスや九鬼自身に興味を持っていく様子が良く解ります。まあ、最初はあくまでもダンスメインの会話なんですが……二人の会話は楽しくて、それに引っ張られるような感覚になったりしました。
九鬼は過去の「傷」を抱えていて、そのためにダンスが好きなのが伝わってくるほど好きなのに、本気のダンス(競技会に出る、という意味で)が出来ない。過去を語らず、それでいて青葉を見る目は、何かを訴えかけているようで――折に触れて見えてくる九鬼のアンバランスさの数々に、最初はゆっくりと、次第に急速に惹かれていく青葉の心情が自然に感じられます。青葉の心が読み手の心にもすとんと落ちてくる感じでしたね。そして、九鬼も10ほども年下の青葉が持つ芯の強さに惹かれていたんだろうと。九鬼は青葉に対して口癖のように「お前は変わってる」と言うのですが、そういうところからも青葉への気持ちが窺えるような気がしました。
過去も本心も最後の方まで何も言わなかった九鬼が、とうとう青葉に弱いところをさらけだしたシーンが印象に残っています。そんな九鬼がツボなのです(笑) そして、それをがっちり受け止めて「俺が守る」と言う男前な青葉は、更にツボで。これまでも好きでしたが、もっと青葉を好きになってしまいました。ホントにもうどっちが年上なんだか解らないですが、こういう関係も良いよなあなんて思ったり。
あとがきに書かれていたような彼らの今後のお話も読みたかったですね。でも、青葉が傍にいれば、今の二人の関係を続けつつも、九鬼が過去との決着をつけるのもそう遠くない未来のことなんだろうなあと思います。

個人的評価:★★★★★

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